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一ノ瀬 暢之; 玉井 聡行*; 河西 俊一; 水野 一彦*; 橋田 勲*
Langmuir, 13(10), p.2603 - 2605, 1997/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.43(Chemistry, Multidisciplinary)ポリ(4-トリメチルシリルスチレン)のスピンコート薄膜(1-1.5m厚)にKrFレーザー光(1-60mJcmpulse)を100-1000ショット照射すると膜の架橋による不溶化と表面の酸化が起こることを見い出した。一方、ポリスチレン、ポリ(4-メチルスチレン)薄膜では照射によって架橋はほとんど起こらず、酸化により易溶化した。表題高分子の酸化においてはカルボン酸が生成し、4-位の置換基が主鎖に優先して酸化されることを示した。これらのことは4-位のC-Si結合が容易にラジカル開裂し、酸化や架橋の中間体ラジカルを与えることで理解される。膜表面のカルボン酸生成量は、レーザー光強度が低い場合は強度に比例して増加するが、レーザー光強度が高いとラジカル生成密度が高いため架橋反応が進行し、カルボン酸の生成が抑えられることが分かった。
清水 雄一; 杉本 俊一*; 河西 俊一; 鈴木 伸武
Laser Chem., 17, p.97 - 108, 1997/00
過酸化水素存在下でのマレイン酸溶液の光化学反応をエキシマレーザーを用いて研究した。レーザー光の波長効果の研究から、オキシ酸の生成にはXeF光(351nm)が有利であることがわかった。XeF光による水溶液中の反応では、グリコール酸が主生成物であり、酒石酸生成の選択率は非常に小さかった。しかし、水に1,4-ジオキサンを添加すると、その選択率は急激に増大し、ジオキサン溶液中では、約80%の選択率が得られた。このように、少量の過酸化水素を含むマレイン酸の1,4-ジオキサン溶液を室温でXeFレーザー光照射すると、酒石酸が選択的に直接合成できることを見出した。一方、メタノール、N,N´-ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフラン溶液中の反応では、酒石酸の選択率は水溶液中の反応に比べてほとんど増大しなかった。これらの結果に基づいて、酒石酸の選択的生成の反応機構を考察する。
鈴木 伸武; 清水 雄一
放射線科学, 39(8), p.291 - 297, 1996/00
本稿では、エキシマレーザー光の単色性、高強度性、短パルス性、偏光性などの優れた特徴を有効に利用した有機合成について概観した。内容は、1.レーザー有機化学反応、2.エキシマレーザー光の特徴、3.単色性を利用した反応 (1)汎用化学品の合成 (2)高付加価値化合物の合成、4.高強度性を利用した反応 (1)特異反応 (2)二量化反応、5.短パルス性を利用した反応、6.偏光性を利用した反応などである。
鈴木 伸武; 河西 俊一
放射線科学, 39(9), p.337 - 343, 1996/00
レーザーを用いた高分子の表面改質について研究の現状をまとめ、解説した。まず、高出力の紫外光を発振することができるエキシマレーザーを用いた場合に期待される化学反応の特徴をまとめ、それらを高分子の表面改質に応用した時の従来法との比較を述べた。次にレーザー光化学反応を利用した表面改質、レーザーアブレーションを用いた表面改質の研究現状について解説した。さらに、旧大阪支所で行った光増感剤によるフッ素系高分子の表面改質の反応機構と技術的な特徴を紹介した。
河西 俊一
入門自由電子レーザ, 0, p.194 - 202, 1995/08
大阪支所をはじめとして多くの研究機関で行われているレーザー化学の研究について、高分子材料の表面改質、光反応による合成の分野での最近の研究例を解説した。これらの研究の多くは紫外レーザーであるエキシマレーザーを用いたものであるが、これらの研究に自由電子レーザーを用いた場合の期待される成果と必要とされる仕様について述べた。
大阪支所
JAERI-Review 95-002, 62 Pages, 1995/03
本報告書は、大阪支所において、平成5年度に行われた研究活動をまとめたものである。主な研究題目はエキシマレーザー光照射による高付加価値化合物の合成、高励起状態からの化学反応、高機能性付与のための高分子表面改質、電子線照射による重合反応、線照射による金属微粒子の合成および線量測定の研究などである。
河西 俊一
EMC: electro magnetic compatibility: solution technology: 電磁環境工学情報, 0(78), p.27 - 30, 1994/10
レーザーの化学利用研究の一環として、大阪支所で進めたフッ素樹脂の表面改質について解説した。まず、代表的なフッ素樹脂であるPTFEの接着性改善については、光吸収剤として芳香族系高分子を1~20%添加したPTFEにKrFエキシマレーザー光を照射することによって、接着性を改善することができた。本法で得られた改質効果は、従来法である薬品処理などに比べて、効果が高い、微細な加工が可能であるなどの特長を有している。また、溶融成形が可能なフッ素樹脂であるPFAを水中でArFエキシマレーザー光を照射することにより、親水性を付与することができた。この親水性発現機構および本技術の特徴を検討した。
清水 雄一
Radioisotopes, 43(3), p.147 - 156, 1994/03
本稿では、窒素飽和したアルコールに過酸化水素の存在下でエキシマレーザーからの高強度のKrFレーザー光を照射することによって、ジオールを高選択率・高量子収率で直接合成する研究、また炭酸ガスをメタンの存在下でArFレーザー光照射することによって、炭酸ガスを効率良く還元して一酸化炭素やエタンを生成する研究など、我々の研究成果を中心に述べる。さらに、これまでに報告されたレーザー有機化学反応の研究について数例紹介すると共に、この種の研究の今後の課題について簡単に触れる。
西井 正信; 杉本 俊一*; 清水 雄一; 鈴木 伸武; 長瀬 智洋*; 遠藤 正雄*; 江口 洋介*
Chemistry Letters, 1993, p.1063 - 1066, 1993/00
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の効果的な表面改質法として、PTFEフィルムに制電性や耐摩耗性をもたせるカーボンブラックやグラファイトのような炭素質物質を添加し、KrFレーザー光を空気中で照射することにより、PTFEフィルムの接着性を著しく改善できることを見出した。カーボンブラックまたはグラファイト5wt%を添加したPTFEの180°剥離強度は、レーザー光照射量とともに増大し、7.1Jcmでは、それぞれ1.8および1.3kgcmに達した。カーボンブラックまたはグラファイトを添加したPTFEフィルムの化学構造および表面形態のレーザー照射による変化をX線光電子分光分析および走査電子顕微鏡によって調べ、-CF-結合のF原子の脱離、C=0結合の生成および微細な凹凸の発生が起こっていることを明らかにした。
岡田 淳*; 根岸 靖雄*; 清水 雄一; 杉本 俊一*; 西井 正信; 河西 俊一
Chemistry Letters, 1993, p.1637 - 1638, 1993/00
溶融成型が可能なフッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエテール共重合体(PFA)表面への親水性付与を目的として、ArFレーザー光照射によるPFAの表面化学反応を調べた。その結果、一酸化炭素を溶解した水中でPFAフィルムをArFレーザー光照射(208J/cm)すると、PFAフィルムの水に対する接触角は未照射の時の106度から34度まで著しく減少し、親水性が大幅に改善できることを見い出した。照射によりPFA表面の元素比O/Cは未照射の場合に比べて4倍に増加するが、一方F/Cは1/3に減少した。なお、酸素を溶解した水中及び大気中でArFレーザー光を照射しても、親水性はほとんど改善されなかった。これらの結果から、PFAフィルムの親水性の改善には、フィルム表面のF原子の脱離およびカルボニル基のような極性基の生成が大きく関与していることが明らかになった。
浜田 祐二*; 河西 俊一; 西井 正信; 清水 雄一; 杉本 俊一; 江間 喜美子*; 山本 忠史*
J. Photopolym. Sci. Technol., 6(3), p.385 - 392, 1993/00
エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)のエキシマレーザー光(ArF,KrF)照射によって誘起される化学変化を、ETFE全体については、紫外吸光光度法、赤外分光法によって調べ、ETFE表面については、X線光電子分光法を用いて調べた。ArFレーザー光照射によってETFE全体に二重結合が生成し、KrFレーザー光照射ではETFEは炭化した。一方、ETFE表面では、KrF及びArFレーザー光照射によってともに酸化物が生成した。このように、ETFE表面の化学反応は、全体での反応と異なることがわかった。また、レーザー光照射後のETFE表面について深さ方向分析を行い、レーザー光照射に伴う酸化反応は、表面に近い部分ほど進んでいることを見出した。この現象は、空気中の酸素の存在に起因しているものと結論した。
西井 正信; 杉本 俊一*; 清水 雄一; 鈴木 伸武; 長瀬 智洋*; 遠藤 正雄*; 江口 洋介*
Chemistry Letters, 1992, p.2089 - 2090, 1992/00
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に耐熱性が高くて紫外領域に強い吸収帯をもつ全芳香族ポリエステル(APE)を添加し、KrFエキシマレーザー光(波長:248nm)を室温・空気中で照射することにより、PTFEフィルムの接着性が著しく改善できることを見出した。PTFEフィルムの表面改質の指標とした剥離強度は、APE添加量1~20wt%の範囲で、APE添加量とともに増大した。APE添加量20%の場合には、剥離強度は未照射フィルムの値(0.4kgcm)から26Jcmのレーザー光照射によって3.9kgcmまで増大した。一方、APEを含まないPTFEフィルムでは、150Jcmの照射によっても変化せず、剥離強度は0.02kgcmより小さかった。接着性の改善には、レーザー光照射によるフィルム面でのF原子の脱離、C=OやC=C結合の生成、炭化などの化学反応およびアブレーションが寄与していると考えられる。
河西 俊一; 杉本 俊一; 清水 雄一; 鈴木 伸武
J. Photopolym. Sci. Technol., 5(2), p.271 - 278, 1992/00
エキシマレーザーからの高出力紫外光照射によるエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)とポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の表面化学状態変化をXPSを用いて検討した。ETFEでは、KrF光照射により炭化が起こり、ArF光照射によりカルボニル基、二重結合が生成した。この照射波長依存性は、KrF光照射では照射波長近傍にピークを持つ吸収バンドが生成することによるレーザーアブレーションが起こったためと結論した。またPEEKでは、ベンゼン環、エーテル基が減少し、代わってカルボキシル基が生成した。このうちベンゼン環(ポリマー単位中に3個)は、KrF光照射で一個開裂し、150J以上の照射でも変わらなかった。ArF光照射では、ベンゼン環は、KrF光照射よりも大きい速度で単調に減少した。
杉本 俊一; 河西 俊一; 清水 雄一; 鈴木 伸武; 大西 一彰*; 荒井 重義*
RTM-91-37, p.27 - 32, 1991/00
ポリエーテルスルフォン(PES)に真空中または空気中でエキシマレーザーからのArFまたはKrF光を照射し、表面化学状態変化を光電子分光分析(XPS)およびフーリエ変換赤外分光分析(FTIR-ATR)法を用いて調べた。真空中でArF(193nm)またはKrF(248nm)を照射したPESのXPS測定からスルホニル基の酸素が選択的に脱離し、単体の硫黄が析出していることが判った。真空中でレーザー光を照射するとArFおよびKrF光いづれの照射の場合もカルボニル基が生成した。さらにArF光照射では、スルホニル基から酸素が選択的に脱離すると共に、全硫黄量も著しく減少し、分子鎖が-C-S-C-結合位置で切断することが明らかになった。